社会処方(Social Prescribing)
社会処方 × アート|高齢者施設・福祉現場での創作プログラム企画・実施 先月の個展を終えたあと、アーティストとして「社会処方(Social Prescribing)」のプログラムに関わる機会をいただきました。 最初のブリーフィングから資料を読み進める中で、今回の取り組みの意味を少しずつ理解していきました。 それは、高齢者施設のデイサービスの現場に入り、「社会処方」を軸としたアートの実践を行うというものです。 今回の関係性は、次のような構造になっています。 ー A:仲介(文化芸術協会)/アーティスト推薦 B:アーティスト(自分) D:施設側の窓口・推進役 E:施設長(医師)/方針決定 C:介護スタッフ/現場 F:利用者(高齢者) ー 文化芸術協会(A)が仲介となり、私(B)を含む複数のアーティストを推薦。 施設の広報・社会担当(D)は、医師である施設長(E)の方針のもと社会処方の導入を進め、その中で私が選ばれました。 介護スタッフ(C)は日々のケアを担い、利用者である高齢者の方々(F)を支えています。 実際に現場に入ってみると、言葉では表しきれない空気がありました。 介護スタッフは、50〜60名の高齢者を日々ケアしており、そのうち約3分の1は認知症を抱えています。 食事介助、入浴、移動のサポート、感情のケア、そして記録業務まで——すべてにおいて高い集中力と体力が求められる現場です。 このような緊張感と忙しさの中で、「アート活動」が加わることは、必ずしも支えになるとは限らず、場合によっては新たな負担として受け取られてしまうこともあります。 リーダーを除いて、多くのスタッフにとって「社会処方」はまだ距離のあるもののように感じられました。 だからこそ私は気づきました。 今回の課題は、単に「高齢者のための活動をつくること」ではなく、 この取り組みが現場の人たち、特に介護スタッフにとっても無理なく受け止められ、将来的に続いていく形をどうつくるか、ということなのだと。 そして、もうひとつの問いが生まれました。 このアートの介入は、高齢者のためだけではなく、 むしろ—— 介護スタッフ自身が、ほんの少しでも肩の力を抜ける時間にならないだろうか。 日々の負担を、ほんのわずかでも軽くできないだろうか。 日本では、介護スタッフは利用者が帰宅する前に、その日の様子を記録し、家族に伝...









